巣立ちの絵

いろのはの前のはなみずきも芽吹いてきました。

4月を迎え、新しい年度が始まると

あ~もうこのクラスには○○ちゃん(くん)はいないんだな、と

送り出すときは笑顔でも、実感すると感傷に浸ってしまいます。

Aちゃんも送り出したひとり。2011年から8年間、長い事通ってきてくれました。

小さい時は良く笑いかけてきたAちゃんも、ほとんど話さない思春期真っ盛り。

そしてアトリエを卒業。

ここ一年間好きな鳥の絵を描き続けていました。

「描き続けているから自分の中で上達した実感がある?」と聞くと

「あるよ。でもまだまだ」

そう話していました。

「そうだよね、わたしも常にまだまだ」

お母様からは

「なんとか自信が持てる様になったようです。だから卒業します」

自信が持てるようになるには続けていることが大事。そして年月がかかることを実感しました。

最後に描いたのは寄り添っている鳥二羽。微笑ましい絵です。

最後の日、ずっしりと重い今までの作品を写真に撮った作品集を渡し、見送ると真剣な顔で渡してくれた「三部作の鳥の絵」

卵で生まれ、自分の足で立ち、巣立っていく鳥の絵です。

Aちゃんの今までの成長が重なるよう・・・

なんの鳥かって?この鳥はいろのはに通っていないとわからない、鳥の絵なのです。

ふたりで微笑み、こっくりとうなずいて別れました。

Aちゃんが好きないろのはのキャラクターが鳥になっているのです。

説明はいらない・・・表現があれば。そんな日でした。

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